2022年11月17日
金融庁は11月7日、「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案を公表しました。
改正案では、有価証券報告書に「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」と「コーポレートガバナンスに関する開示」について必須記載事項とされています。
改正後の規定は、2023年3月31日以後に終了する事業年度における有価証券報告書等から適用予定です。今後、国内外の動向も踏まえつつ、改訂が行われるとのことです。
今回の記事は「サステナビリティに関する企業の取組みの開示」について取りまとめてご紹介します。
出典:金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について
まず、有価証券報告書において、サステナビリティ情報を一体的に提供する枠組みとしての「記載欄」を新設し、サステナビリティへの考え方や取り組みの記入が要求されています。
TCFD提言やISSBの公開草案のフレームワークと同じ、「ガバナンス」、 「戦略」、「リスク管理」、「指標及び目標」の4つの構成要素に基づく枠組みとなります。
開示する内容に関しては下記の通りです。
今回、有価証券報告書に新設されるサステナビリティ情報の「記載欄」について、サステナビリティ情報を他の箇所に含めて記載した場合は、「記載欄」に当該他の箇所の記載を参照できることとされました。
また、これまでは記載が難しかった将来情報について、「検討された事実や仮定等とともに記載されている場合には、記載した将来情報と実際の結果が異なる場合でも、直ちに虚偽記載の責任を負うものではないことを明確にすること」とされています。
次に、「記載欄」の「戦略」と「指標及び目標」において、以下の人的資本、多様性に関する必須記載事項が求められます。
また、女性活躍推進法等に基づき、次の指標を公表している会社及びその連結子会社に対して、これらの指標を有価証券報告書などで記載することが求められます。
更に、上記の指標を記載するに当たって、任意で追加情報を記載することが可能です。
必須記載事項のほかにも、改正案では、サステナビリティ情報開示について「望ましい開示に向けた取組み」を下記の通りまとめています。
出典:金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正案の公表について
去年6月に改訂したコーポレートガバナンス・コードと今回の改定案から見ると、プライム市場だけでなく、すべての上場企業に対して、サステナビリティ情報開示はもはや企業情報開示の主要項目の一つとして位置付けられています。
改定案の適用開始時間とサステナビリティ体制整備を考慮して、企業としては開示拡充に向けた早期の対応が必要でしょう。
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